久々のラビとの二人揃っての非番の日。
そんな日に二人はどこかへ出かけることもなく、ブックマン不在のラビとブックマンの部屋で、
ラビと二人並んでベッドの上に座りまったりとした時間を過ごしている。

ラビとまったりとしながら、は無造作に置かれていた新聞紙の今日の日付を見て、今日がハロウィンだと知った。



「ねえ、ラビ。」

「ん?」

「Trick or treat!!」

「んぁ? …今日、10月31日なんか。」

「そうみたい。
去年はコムイさんの思いつきで、ハロウィン仮装パーティーが盛大に行われたっけ?」

「んで、コムイが作った変な発明品が暴走して、リナリーに発明品と一緒に葬られてたなぁ……。」

「リナリーに蹴られた時のコムイさんの顔、面白かったなー。」



二人は、去年行われたハロウィン仮装パーティーでのコムイの発明品の事を思い出す。
そうして話していくうちに、話題は仮装の話になった。



「そういや、は魔女の仮装してたっけ?」

「うん。 ジョニーに頼んで作ってもらったの。 まだ記念に残してあるんだ〜。」

「あの魔女っ子衣装、みょ〜にエロくてすっげぇムラムラしてたんさぁ〜。」

「なっ…!?」

「せっかくだから、もう一回着てくんねェ?」

「イヤよ!!


…………って、どさくさにまぎれてどこ触ってるのよ!!」

「えー…いーじゃん。

           …ぐへっ!!」



にもう一度あの魔女っ子衣装を着て欲しいとお願いしながら、ラビはにグテーと横から抱きつき、
いやらしい笑みを浮かべながら片手をの服の中へ忍ばせる。
……が、顔を真っ赤にさせたに、肘鉄を鳩尾にお見舞いされて、ラビはそのままの膝の上に撃沈した。



「ひ、ひでぇさ……。」

「それより!! ラビ、Trick or treat!!」

「え〜…、何ももってないさー。」

「それじゃあ、いたずらするわよ?」

「……っ!! イタズラ!?」

「えっ、うん…。」



の膝の上に撃沈していたラビは、いたずらと言う言葉になぜか反応して顔をあげる。
するとラビはとてもキラキラとした目をしていた。

そのキラキラとした目を見て、は嫌な予感がしてラビから離れる。



「どんなイタズラしてくれるんさ?」

「えっと…?」

「オレにイタズラしてくれるんっしょ?」

「あー…。 お菓子持ってないのは仕方ないよね!?
あ、あたし、そろそろ部屋に戻るね?」



なぜかいたずらを心待ちにしているラビに、は本能的に逃げなきゃと思い逃げようとする。
しかし、ラビに腕を掴まれてしまいそれもかなわない。



「逃がさないさぁ。」

「(とても身の危険を感じる…。) ごめんね、ラビ!!」

「ぐへっ!!」



ラビの獲物を捕まえたと言わんばかりの目に、身の危険を感じたの本日二度目の鳩尾への攻撃に、
ラビは思わずの腕を放してしまう。

ラビから解放されたはその隙にラビ(とブックマン)の部屋から走って逃げる。



「いってェさぁー…って、あ゛ーー!! 待つさぁー!!」

「ひゃぁぁあああ!!」


















『Trick or treat!!

        -お菓子をくれなきゃ、悪戯するぞ!!-』


「やぁーっと捕まえたさぁ。」

「ゼェゼェ…。」

「さぁーて、部屋に戻ってにイタズラして貰わねェとな。」

「ラビのバカ、変態…。」

にだけさ。

そういやさっき追いかけてる時、コムイがオーブンに向かって楽しそうに何かしてたぞ…。」

「うわぁー…ロクなことなさそ…。」











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