「!!」
「ん?」
お昼過ぎおなかがすいたので、そろそろお昼にしようと思い食堂へ向かう途中、
誰かに呼び止められたので声がした方を向けば、両手に抱えきれないほどのお菓子を抱えたアレンがいた。
「アレン君…、どうしたのそのお菓子の山は……。」
「あれ、今日は何の日か知らないんですか?」
「…?」
「今日はハロウィンですよ。
みんなからたくさんお菓子が貰える、とっても素敵な日なんです。」
ほんと、いい日ですよね…。と、うっとりとした様子で話すアレン。
その話を聞いて、ようやく今日が10月31日だということに気がついた。
「今日って10月31日だったんだ!!
それじゃあ、その手に抱えているもの全部…?」
「ハイ。 皆さんからいただいたものです。」
そう言いながらアレンは両手いっぱいにお菓子を抱えながらも、器用に手を動かしチョコレートを一粒口の中に入れる。
幸せそうに口をモグモグさせるアレンに、もつられて顔がゆるむ。
そして、ゴクンとチョコを飲み込んだアレンは思い出したように、に声をかけた当初の目的を話す。
「そう言うわけなんで、。 Trick or treat!!」
「え!?」
「お菓子をくれませんと、イタズラしちゃいますよ?」
「えっと…。」
今日がハロウィンだという事を先ほど知ったが、お菓子を用意しているはずもなく、何かないかとポケットの中を探してみる。
しかし、ポケットから出てきたのは髪の毛を止めるピンだけで、都合よくお菓子が出てくることはなかった。
「…ごめんねアレン君、何も持ってないや………。」
「そうですか…。
それじゃあ仕方ありませんね………。」
「ごめんね…?」
が何も持っていないとわかると、アレンはがっかりしたようにうつむく。
そんな様子のアレンに、はなんだかとても申し訳なく思い再びアレンに謝った。
「じゃあ、目をつむってください。」
「え?」
「ハロウィンは、人に堂々とイタズラができる素敵な日でもあるんですよ?
ですから、目をつむってください。」
そう言って顔をあげたアレンの表情は、とてもいい笑顔だった。
アレンのとてもいい笑顔を見て、なんだか恐怖を感じたは、アレンに言われた通りに目をつむる。
「目、つむったよ?」
「そのまま、じっとしていてくださいね?」
さっきのアレンの笑顔を見て、内心冷や汗ダラダラなは、どんなイタズラをされるのかとビクビクしながらじっと待っていると…、
唇に、なにかあたたかいものが触れる感触と、
『チュッ』
っというリップ音がの耳に入ってきた。
そのことに驚いたは慌てて目を開く。
すると、さっきと変らずニコニコと笑みを浮かべているアレンの顔が目の前にあった。
「な、な、なにを!?」
「僕の両手がふさがっていなければ、もっとイロイロな事が出来たんですが……。
……………残念です。」
「えぇっ!?」
『Trick or treat!!
-お菓子をくれなきゃ、悪戯するぞ!!-』
「(キ、キスされちゃった!?)」
「(顔まっか…。 かわいいなぁー。)
そう言えばさっき食堂で、あの神田がジェリーさんにケーキ頼んでましたよ?」
「えっ!! あの神田さんが!?」
『Trick or treat Ver Kanda』→