雨のせいで森が使えず、仕方なく鍛練場でいつものメニューをこなす。
メニューをすべて終わらせ一息つけば、一角ザワザワと騒がしい。
少し前からオレの他に人がいた事は気付いていたが、特に気にすることはなかった。
…が、こうも騒がしけりゃ嫌でも気になってくる。
静かにできないのかと、騒がしくしている奴らをひと睨みする。
そうしたら、そのなかの一人と目があった。
……嫌な予感しかしねェ。
「カンダ!」
「…なんだ」
こっちに小走りで来たリーバーが、「時間がないんだ」とか言って早口でまくし立てる。
「いまとリハビリしてたんだが…ラボでトラブったらしくてな」
「リハビリって…どこか具合悪いのか?」
「いや、室長が作ったゴーレムを人に変える薬のせいで昨日、が人になっちまったんだ」
「がゴーレムで人…?」
「だからオレの代わりに、をオレの部屋まで連れてってくれないか?」
「を部屋に…?」
「そういう事だから頼んだぞ、カンダ!」
「は…? 全く意味わかんねぇよ!
…って待てよ、リーバー!」
あの野郎…
言いたいことだけ言って何処かへ行きやがった!
「つか、何処にいるんだよ。」
辺りを見回してもオレと見馴れない女しかいない。
を部屋に連れていけとか言ってけど、バカじゃねぇんだから勝手に戻るだろ。
…そういや早口のせいでわけがわからなかったがリーバーが何か言ってたな。
たしかゴーレムの薬でが人になったからどうこう……
は猫だろ…なんでゴーレムの薬で人になんだよ。
でもゴーレムの薬が効いたんだろ…?
…そもそもゴーレムって薬を飲むんだな。
どうして猫なのにゴーレム?
………っ!
「ってゴーレムだったのか!!」
Lesson No.1 -after- 神田に脳内エラー発生。
(急いぐあまりに、かなりメチャクチャな説明だったけど……
…まぁ、カンダなら大丈夫だろ)
END
全然大丈夫じゃなさそうですよ、リーバーさん。